疾患別説明・治療方針

治療方針

耳鼻咽喉科の主な疾患について当院の治療方針について説明いたします。

アレルギー性鼻炎
  • アレルギーの治療の基本はその原因となる物質を回避することです。原因を調べるには、採血を行います。採血が出来ない場合、また、食物アレルギーの方には皮膚に小さな傷をつけて検査をします。
  • 抗アレルギー薬は様々な種類があります。鼻閉に効くものや、鼻水・くしゃみに効くものなど症状に合わせて処方します。
  • 薬でうまくコントロールできない場合、アルゴンプラズマで鼻粘膜を焼灼します。表面を焼くことにより鼻粘膜が収縮する効果があります。これは表面麻酔で行うので、外来で可能です。
  • 粘膜の腫れがひどい場合は鼻粘膜・粘膜下の骨を切除します(下鼻甲介粘膜下骨切除)。鼻閉には最も効果がありますが、2.3日の入院をお願いします。
  • アレルギー体質を治す可能性がある唯一の治療は減感作療法です。これは原因物質のエキスを繰り返し投与する治療法で、注射と舌下に含む方法とあります。根気のいる治療法ですが、それなりの効果が期待できます。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)・鼻中隔湾曲症
  • 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)は副鼻腔に鼻水、膿がたまる病気です。感染が原因の場合とアレルギー体質が原因の場合があります。
  • 感染が原因の場合、まずはマクロライド系抗生物質を4~8週服用します。アレルギーが原因の場合はアレルギーの薬も使います。
  • 副鼻腔炎が高度の場合、手術が必要です。当院では、内視鏡・マイクロデブリッダーを用い、鼻内手術を行っています。2~3日の入院、その後の通院、術後治療が必要です。
  • 左右の鼻の間(鼻柱)を鼻中隔といいます。鼻中隔は発育とともに自然と弯曲しますが、曲りの程度がひどいと鼻づまりの原因となります。その場合、鼻中隔矯正術を行います。鼻の入口部を切開し粘膜を剥離、曲がっている粘膜、骨を切除します。2~3日の入院が必要です。
急性中耳炎・滲出性中耳炎
  • 急性中耳炎の多くは鼻やのどに感染した細菌が耳管を通って中耳に入り、、炎症を起こします。
  • そのため、鼻やのどを観察し、鼻水を除去し、抗生物質を投与します。
  • 最近は抗生物質の効きにくい細菌が多いので、鼓膜切開が必要なこともあります。
  • 炎症が長引いたり、鼻炎や扁桃腺肥大があると中耳に液体が長期間たまる滲出性中耳炎になります。難治性の場合鼓膜チューブを入れて排液します。
方針イメージ
睡眠時無呼吸症
  • 寝ているときに呼吸が止まる状態を睡眠時無呼吸症候群といいます。
  • 成人の睡眠時無呼吸症候群は、その多くが、肥満や加齢、生活習慣、顔面形態などなどに原因があります。睡眠検査の上、必要であれば、CPAP療法を行います。これは夜間だけ、人工呼吸器を使う治療法です。
  • 小児の睡眠時無呼吸は鼻炎、アデノイド・扁桃腺肥大が原因のことが多く、鼻炎の治療で治らない場合は、アデノイド・扁桃腺摘出を勧めています。
補聴器相談
  • 聞こえは年齢とともに変化します。その難聴は、感音性難聴といい、手術などでは治せません。
  • 感音性難聴が急に起こった場合は、加齢ではないので治療の対象になります。また片側のみの難聴も加齢ではありませんので詳しい検査が必要です。
  • 薬で治らない難聴は、補聴器相談をしています(予約制)。補聴器を試しに数週間掛けてもらい、適合検査を実施します。また、補聴器購入はテクノエイド協会の認定補聴器技能者のいる販売店に紹介しています。